人間の五感のうち最も大切な感覚のひとつである「視覚」にコラーゲンが深く関わっていることをご存知でしょうか?
視覚を辞書で調べてみると「光の刺激を受けて生じる感覚」って書いてあります。
要は目で見る感覚の事だよ。
目とコラーゲンの関係について知らない人が多いのではないでしょうか。目の重要ないくつかの器官はコラーゲンからできていて、とても大きな役割を果たしています。
この記事ではコラーゲンが不足したら目にどんな影響があるのかについて解説していきます。
目はコラーゲンでできている
目のほとんどがコラーゲンで作られています。中でも硝子体という器官は、上の眼球の図の大半をしめるピンク色の部分ですが、これもコラーゲンで作られています。
硝子体は水晶体の内側にある無色のゼリー状の組織で、光を屈折させたり眼球の形を保つなどの働きがあります。
その他にも目のピントを合わせる働きをしている角膜や、角膜と同じく見たものの焦点を合わせたり、紫外線から目を守るなどの働きをしている水晶体、そして水晶体から入った光を視神経に伝える網膜などもコラーゲンで作られています。
ここからはコラーゲンが目にどんな働きをしているのかについて解説していきたいと思います。
コラーゲンは目でこんな働きをしている
目の中のコラーゲンがどんな働きをしているかについて書く前に、目が見える仕組みについて知っておいた方が良いと思うのでそちらから解説していきますね。
目が見える仕組み
目が見えるのはどうしてかを説明するには、人間の目がみえる仕組みを知る必要があります。
目を通して見える物の色や形はそのまま色や形を認識しているのではありません。目に見えるものは光の情報として入ってきます。
明るいところでは、目に入ってくる光の量を減らすために瞳孔は小さくなって、暗いところでは瞳孔を大きくして光を集めようとします。
この機能はカメラと同じで、例えばカメラでは光量を調整する為に「絞り」という機能がありますがこれが目の「虹彩」に当たります。これが上手く調節できないと写真が暗くなったり、逆に白飛びしたりします。
目に入ってきた光を、水晶体で屈折させる事でピントを合わして、網膜に光を集めて視神経に伝えます。そして光の信号は視神経から脳に伝達されて初めて目で見た物の形や色を認識する事ができるのです。
コラーゲンがないと目が見えなくなる?
目を語るうえでコラーゲンの存在は欠かせません。そう言えるほど目とコラーゲンには深い関係があります。
目の表面にある角膜の厚さの9割以上を占めている角膜実質という組織があって、その角膜実質の主成分はコラーゲン線維です。角膜実質は角膜を透明に保つ働きがあって、さらにコラーゲン線維が角膜をがっちり固定する事でくもりやひずみがない状態で物を見る事ができるのです。
角膜は光を屈折させて眼球へ届ける働きがあって、角膜ががないと目が見えなくなります。その角膜の働きを支えているのがコラーゲンなのです。
目のコラーゲンが不足したらどうなるの?
目のバリア機能が低下する
角膜内のコラーゲンは細菌やウイルス、排気ガスなどの外部刺激から目を守る役割りも果たしています。
コラーゲンが不足したりするなどして働きが弱くなると、目を保護する角膜自体がもろくなって傷がつきやすくなったり目を保護する事が出来なくなります。
細菌やウイルスが原因で目が充血する結膜炎や角膜に炎症を起きて充血やいたみが出る角膜炎など目の病気を起こしやすくなります。
また角膜で遮断しきれなかった紫外線は水晶体でカットするのですが、その働きも弱まってしまいます。
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老眼の進行が速くなる
老眼は40歳前後から始まる人が多くて、気付かないうちに進行して目の焦点が合わなくなってしまうやっかいなものです。
老眼になるとピントの調整力が低下してしまい、新聞や雑誌を読むときなど近い物を見る時にぼやけて見えにくくなってしまいます。
老眼になると見えにくくなるだけでなくて、それが原因で肩こりや目の疲れなどに悩まされる場合もあります。
飛蚊症になりやすくなる
飛蚊症(ひぶんしょう)とは視界の中に黒や灰色のゴミやススのようなものが見える症状で、眼球を左右に動かした時に連動してフワッとしたものが視界に現れます。
飛蚊症の原因の1つとされるのが、目の大半を満たしているゼリー状の硝子体という器官です。
硝子体はコラーゲンとヒアルロン酸から出来ていて、眼球を丸い形に保ったり、目に入ってきた光を屈折させる役割があります。
健康な硝子体のコラーゲン線維は無色透明てすが、コラーゲンが不足して老化が進行すると硝子体に変化が起こります。
目に入ってきた光が硝子体を通る時に、この不透明な濁った部分が影となって視界に現れるのが飛蚊症です。
硝子体は卵白の様なドロッとしたものなので、目を動かすと硝子体繊維が遅れて動くので視界の影はフワッとした動きになるのてす。
このタイプの飛蚊症は治療が要らないので心配しなくていいと思います。
ピントが合いにくくなる
ヒトの目のピントを合わしているのは黒目の部分の角膜とその内側にある水晶体です。
この2つはカメラで言うとレンズの様な働きをしていて、焦点距離に応じて適切にピントを合わす働きがあります。
角膜と水晶体はどちらもコラーゲン繊維が規則的に並んでいて無色透明です。
水晶体はピントを合わすために形を変えています。
近くを見る時は水晶体が分厚くなり、逆に遠くを見るときには薄くなる事で光の屈折を変化させながらピントを合わしています。
加齢などによってコラーゲンが不足すると、水晶体を引っ張ったり緩めたりして水晶体の厚みを調節する毛様体筋という筋肉が衰えて調節力が低下してピントが合わせにくくなります。
コラーゲンは目に潤いをにあたえる
コラーゲンは潤いの源てすが、それは目にとっても例外ではありません。
例えば先ほど紹介した硝子体はコラーゲンで満たされていて、衝撃が網膜に伝わらない様にクッションの役割を果たしています。
これはコラーゲンが硝子体に潤いとハリや弾力を与えているからですが、コラーゲンが少なくなったり老化してしまうと弾力が失われてしまう事にもなります。
コラーゲンを摂れば視力は回復するの?
ここまでに角膜や水晶体など目の重要な器官はコラーゲンで作られている事がわかってもらえたかと思います。
そうなるとこの様な疑問を持つかもしれません。
「目に良い食べ物」と言えばブルーベリーを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。
ブルーベリーに含まれるアントシアニンという色素が目の機能改善や、スマホなどのブルーライトから目を守る働きがあるという研究結果もあるそうです。
そのブルーベリーに負けず劣らず目にいいのがコラーゲンです。コラーゲンと眼の関係については前述したとおりですが、コラーゲンを食べて視力が回復するという事はありません。
ただ、目はコラーゲンで作られているので、コラーゲンを摂れば目に良い影響があるかもしれませんね。
でもまだ医学的にはコラーゲンの有効性はハッキリと解明されていないそうです。
瞳の色はコラーゲンも関係している?
人間の目の色は人種などによって黒色や青色、緑色など様々な色がありますが、瞳の色にもコラーゲンが関係しています。
全ての色にコラーゲンが関係しているわけではないのですが、一部の色には影響を及ぼしている様です。
例えば青色の瞳と灰色の瞳はどちらもメラニンを含んでいませんが、灰色の瞳には実質層に多くのコラーゲン線維が含まれていている事で光が拡散するのを阻害される為に、瞳が青く発色せずに灰色に見えるそうです。
コラーゲンと目のまとめ
目にとってコラーゲンはなくてはならない大切なものです。目の中でコラーゲンで作られている器官をまとめてみます。
目の中のコラーゲン
- 角膜(ピントを合わせる・バリア機能)
- 水晶体(ピントを合わせる・紫外線を遮断)
- 硝子体(光を屈折・眼球の形を保つ)
- 網膜(目に入った光を(光情報)を電気信号に変換して視神経へ伝える)
コラーゲンが不足すると
- 目のバリア機能が低下する
- 老眼の進行が速くなる
- 飛蚊症になりやすくなる
- ピントが合いにくくなる
目は複数の器官が正常に働く事で、視界に捉えた物を映像として認識する事ができます。
目の多くの器官を構成しているコラーゲンが、それらの器官の働きに影響を及ぼすというのは言うまでもありません。
健康な目を維持するために、日頃からコラーゲンを摂ってみてはどうでしょうか。