「髪は一生の友達」といいますが、男性だけでなく女性にとっても髪は大切にしたいものです。
髪の毛はアレンジ次第で、清潔感が溢れるものから遊び心が満載なものまで様々な印象を与えます。普段は清楚な印象でも時には大人の女性に変貌を遂げるのも髪型の大きな魅力です。
そんな髪の毛の最大の脅威となるのが薄毛、抜け毛の存在です。
薄毛になったりその対策の為にシャンプーや育毛剤を使う人が多いと思いますが、その中にはコラーゲン入りのシャンプーや育毛剤も見受けられます。
コラーゲンが頭皮や髪の毛に良いという事は良く知られたことですので、育毛効果にも期待してしまいますよね。
そこでこの記事ではコラーゲンが薄毛改善に有効なのかについて解説していきたいと思います。
髪の毛はこうして作られている
髪の毛は細いものですが、1本1本の髪の内部は3層構造になっていて、外側からキューティクル⇒コルテックス⇒メデュラと呼ばれています。
髪にツヤを与えるキューティクルとは
キューティクルは髪の毛の一番外側の組織で、主成分は硬いたんぱく質です。
外気や紫外線に触れる髪の表面を、キューティクル細胞がうろこ状に折り重なり合って髪を保護しています。
重なり合ったキューティクルの間や髪の一番外側にはMEA(18-メチルエイコサン酸)と呼ばれる脂質で覆われています。MEAは髪の毛同士の摩擦を低減して、髪のまとまりをよくする役割りがあります。
MEAはヘアカラー1回または、パーマを2回すると簡単に剥がれてしまうデリケートな成分で、一度剥がれたMEAは放置していると再生される事はありません。
強い髪の基、コルテックスとは
髪の大部分を占める(85~90%)のがキューティクルの内側にあるコルテックスという層で、繊維状のたんぱく質で作られています。
強くてしなやかな髪を作るコルテックス細胞は縦方向(髪の根元から毛先の方向)に連なる様に並んでいます。
また、コルテックスに含まれるメラニンの量と種類によって髪の色が決まります。
メラニンの量が多いと黒い髪になって、逆に少ないほど黒色⇒栗色⇒ブロンズに近づきます。また、フェオメラミンが多いと赤色系の髪になります。
ちなみにメラミンがなくなると白髪になります。
メデュラとは
髪の毛の中心部分にあるのが、メデュラと呼ばれる層で柔らかいたんぱく質で作られています。
髪の芯の部分ですが、外からの刺激による影響をうけやすくて刺激が強いと局所的に空洞化しやすいのが特徴です。
近年の研究で、空洞化したところが多くなると太陽などの強い光が髪を透過する時に、光が拡散してしまって髪が色あせた様に見えてしまう事が分かってきたそうです。
コラーゲンが髪に与える効果って?
髪の主成分はたんぱく質ですが、コラーゲンは体内のたんぱく質の30%を占めています。頭皮や髪とコラーゲンの繋がりも深くて様々な効果が期待されています。
コラーゲンは抜け毛を防止する?
健康な髪には十分な量のコラーゲンが含まれていて、抜けにくくてしなやかで強い髪にはコラーゲンが必要になります。
という事はコラーゲンで抜け毛は防げるのでしょうか?答えはコラーゲンだけを摂っていても抜け毛を防ぐ事はできません。
抜け毛を防ぐためには、頭皮環境を整える必要があります。
コラーゲンは髪の健康の為には無くてはならないものですが、コラーゲンを摂取するだけでは悪化した頭皮環境を整える事は出来ません。
東京医科歯科大の研究チームによると、加齢によってコラーゲンが減少すると毛根がやせて抜け毛が増えるという研究結果もあるそうです。
コラーゲンで髪は太くなるの?
髪の量や太さは人によって個人差がありますが、太さによって見た目の印象はかなり違ってきます。
太いと髪のボリュームがでて髪は切れ毛などが起こりにくく、髪が細いとスカスカして髪が切れやすくなります。
図の様に髪の内部の大半を占めるコルテックスの量で、髪の太さは変わってきます。
コルテックスの量を増やすには頭皮環境を整える必要があります。だからフケが多かったり頭がかゆいという場合は頭皮環境が悪い可能性があります。
コラーゲンを一定期間摂取する事で、髪が太くなったという研究結果があるようですが、それには頭皮環境を整える事が大切だと思います。
日本人女性の髪の太さはおよそ0.08ミリですが、アメリカやヨーロッパなどの欧米の女性はおよそ0.05ミリです。
しかも髪の断面の形状にも違いがありって、日本人は丸い形(円形)ですが、欧米の女性はすこし平べったい楕円形をしています。
欧米人より日本人の方が髪が太いと言う事は、コルテックスの量が多くて髪が強くてしなやかという事です。
コラーゲンは頭皮にハリと弾力を与える
コラーゲンには肌を潤す効果がありますが、それは頭皮にも言える事なのでしょうか?
確かに髪の毛はたんぱく質で作られていて、コラーゲンが不足すると抜け毛や切れ毛の原因にもなります。
コラーゲンで真皮層を保湿する事で頭皮にハリと弾力を与えると切れ毛などの対策にはなります。でもそれで髪が増えるという事はなさそうです。
コラーゲンは白髪を防止する
髪の毛を黒くする為に必要なメラニン色素は、毛球部に存在するメラノサイトと呼ばれる細胞で作られています。
コラーゲンはメラノサイトの働きを促進すると言われており、メラノサイトから毛根へ多くのメラニン色素を受け渡す事で髪全体の色を黒くする事ができます。
この事から、白髪を抑制する為にはコラーゲンが必要な成分と言えるでしょう。
コラーゲンは薄毛や抜け毛に効果あるの?
コラーゲンを摂ると肌の新陳代謝が良くなって肌のターンオーバーの改善につながるなどの効果が期待できます。
でもコラーゲンだけで薄毛対策や抜け毛対策をしたいという人にはおすすめできません。コラーゲンだけでは髪にあたえる効果は限定的だからです。
育毛用のシャンプーなどにはコラーゲンだけでなく、髪に有効な様々な成分が配合されています。薄毛にはシャンプーや育毛剤、ホルモンバランスの正常化などを並行して行う必要があります。
コラーゲンは髪にも必要なたんぱく質ですが、コラーゲンだけを摂っても劇的な変化は得られません。
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頭皮環境を改善しよう
それでは次に頭皮環境の改善方法について書いていきます。
頭皮って顔や手と同じ「肌」なのです。と言うことはターンオーバーによって生まれ変わっています。
でも頭皮も肌と同じように加齢や紫外線などによってターンオーバーが乱れてしまいます。
ターンオーバーが乱れると毛根が痩せるなど、頭皮の状態が悪くなってしまうので髪にも厳しい環境になってしまいます。
お酒はハゲの促進剤
お酒の飲みすぎは身体に悪影響を及ぼしますが、頭皮にも良くありません。
体内に摂りこまれたアルコールは、血液によって全身に運ばれます。そして肝臓でアセトアルデヒドに分解されます。
このアセトアルデヒドは肝臓で無害な酢酸に代謝されて、汗や尿、呼吸などど共に体外に排出されます。
アセトアルデヒドが酢酸へと代謝される時に、アミノ酸は髪の毛を強化するシステインやメチオニンなどのタンパク質やビタミン、亜鉛などを大量に消費します。
これらの成分は頭皮のターンオーバーや髪の成長に欠かせない栄養素なので、髪が育だちにくく薄毛になりやすくなります。
深酒は控えてお酒はほどほどにする事で、頭皮環境の改善につながります。
睡眠をしっかりとる
体力には自信があるからとついつい夜更かしして睡眠が短くなっていませんか?
睡眠中には頭皮の細胞が活発になります。毎日の睡眠時間が短いと、その分頭皮の細胞が活発になる時間が少ないということです。
そうなると髪が育ちにくくなるので、太くしっかりした髪が生えにくくなります。
寝る1時間以上前から寝る為の準備をする事で、質の良い睡眠につながります。例えば寝る前はスマホやパソコンを使わない、照明を落とす、目や首筋を温めるなどリラックスできる環境を作る様に心掛けましょう。
シャンプーは擦りすぎない
いくら汗をかいたとしても、頭皮を爪でゴシゴシと洗うのは避けましょう。
シャンプーは指の腹で優しくマッサージする様にすれば十分に頭皮の汚れは落ちます。
そして洗浄力の強すぎるシャンプーを使うのもよくありません。
必要な皮脂までゴッソリ落としてしまうと、逆に頭皮に皮脂がたまって頭皮環境の悪化を招きます。
頭皮環境を改善するおすすめのシャンプー
悪化した頭皮環境を改善するのに最適なシャンプーを紹介しますね。
ウーマシャンプーは人間の皮脂に近い「馬油」を配合したシャンプーで、優しい成分なのに十分な洗浄力を併せ持つ人気のシャンプーです。
傷んだ髪のケアと健康な髪を育むサポートをしてくれる優れもので、雑誌やメディアで紹介されています。
髪にハリやコシ、艶が戻ったという感想が多く寄せられている人気のシャンプーです。
性別にかかわらず愛用されている方が多く、髪に悩みがある方に寄り添った成分が配合されています。
気になる方はこちらのシャンプーをチェックしてみては?
髪とコラーゲンのまとめ
髪の毛は地肌にあるときはとっても重宝されるのに、抜け落ちた途端にゴミ扱いにされるかわいそうな存在です。
少しでも長い間、髪の毛として頭皮で伸び続けてもらえるように、できるヘアケアはやっておきたいですね。
その手段としてコラーゲンを摂取する事は有効な手段ですが、コラーゲンだけを摂っても髪への効果は大きな物ではないでしょう。
特に抜け毛が増えたりするなど頭皮の状態が良くない場合には、コラーゲンだけでは効果は感じられないのではないでしょうか。
これからもヘアスタイルを楽しんだりする為には、「自分は大丈夫」と決めつけずに早めの対策をおすすめします。